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びんかんでなにがわるい

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2-3

 「……ぁ……」

 薄暗い空間の中に絶え間なく響く電子音。
 しかし、確かに聞こえるそれはどこかくぐもっており、どこか遠くのもののように聞こえる。
 まるで夢の中の出来事のようにも捉えることができるそれをBGMとしながら初夏は落ち込んでいた意識を浮上させた。

 「ぁ……ぇ……?」

 まず視界に飛び込んできたのは、桃色に染まった歪んだ景色だった。
 間違いなく異常事態であることを咄嗟に理解し、初夏は意識を覚醒させ臨戦態勢をとろうとして――

 「っ……ぁ……っ」

 初夏の抵抗はまるで形になることはなかった。
 力が全く入らなかったのだ。それ以上に体全体を覆う倦怠感のせいで、指一本動かすことさえ億劫なほどに脱力している。

 (な……にが……?)

 気を抜けば思考することさえできなくなりそうな状態で、初夏は必死になって繋ぎとめようとした。

 (これ……は……み……ず……?)

 そして辿り着く。自分が置かれている状態に。自分の体が余すことなく桃色の液体に浸けられているということに。
 青き炎を自在に操ることのできる初夏にとって、水という物質は天敵と言っても過言ではないほどに相性が悪い。
 飲む分にはある程度耐えることはできるが、ほんの少しの水分でも顔に付着すればそれだけで力を奪われてしまう。湿気が強い場所に追いやらればそれだけで初夏の行動を封じることができる。
 それほどまでに水分は相性が悪いというのに、今は全身頭から爪先まで完全に液体に浸っている。
 初夏の行動を封じるためにか、両手に取り付けられた枷など不要と言えるほどに、今の初夏は無力な状態に貶められていた。

 (そ……うか……)

 自分がなぜこんなことになっているのか、そこでようやく思い至る。
 意識を完全に失う前。初夏は学園のプールに出現したスライム型ラファズにても足もでずに敗北を喫してしまったのだ。
 最強の攻撃手段である青い炎を全力ではなったにもかかわらず、スライム型は蒸発することもなければ全くの無傷で初夏を捕らえ、そのまま全身を包み犯し、活力を貪り喰らった。
 スライム型が水分の塊ということもあり、初夏は力を奪われ完全な無防備なまま何度も何度も犯され絶頂した。それだけでも耐えることは難しかったというのに、追い打ちを掛けるように行われた活力の捕食で初夏は意識を手放しスライムに完膚なきまでの敗北をした。
 実を言えばその日の昼に、初夏は牧村千歳という名で保健医として学園に潜んでいた上級ラファズに、活力を捕食されていた。そのために初夏は全力どころか普段の半分も実力を発揮することもなかったがための結果ではある。
 普段は表に出すことはない気持ちを前に押し出し、無理を推して戦い赴いてしまったミスが、今の状態を招いていた。

 (でも……ここ……は……)

 スライムに敗北した時は、学園だった。桃色の液体の歪んだ景色の向こう側は、見たこともない機器が大量に置かれている。
 接触した時に感じたスライムは知能は一応あったようだが、あるだけだ。これらの機器を使えるほどのものは持ち合わせていないはず。
 ならばここに運んだということなのだろうが、その目的は一体何なのか。

 (いや……)

 ラファズは人の、女性の活力を捕食する傾向にある。
 そこから導き出される答えは、捕らえた獲物を餌として捕食するためであると結論付けることができる。
 ならばこの場所は、スライムにとっては巣であといえる場所なのだろう。
 あれの知能が低いことを考えて別の存在がいると考えることが妥当だろう。
 もっとも、これが当たったとして、初夏にとっては状況を好転させる要素は何ひとつもない。
 
 それでなくても、抵抗を元から封じられているのだ。拘束などよりも初夏を封殺する上では最も効率的な方法で。
 絶望的とも言える状況。
 気を抜けば手放してしまいそうな意識。
 その中で初夏は出来る限りの力で歯を食いしばった。
 諦める訳にはいかない。
 リリアーナの時もどうにかなったのだ。だからこそ今回も、と――

 「っぁ……っ、ぁ……!?」

 しかし、不屈の心を抱いた直後、初夏の体に異変が現れた。

 (な……ぁ、あ……か、らだ……が……あつ…………い……!?)

 不意に下腹部から生まれた熱は、一瞬で体中に浸透する。
 それだけならばただの変化であったのだが、熱はすぐさま疼きと変わり、淫らな熱となり初夏を蝕んだ。
 
 (これ、は……ラファ……ず……の……!)

 牧村千歳やスライム、リリアーナによって注がれた液体。ラファズの体液は人の体を淫らに狂わせる、いわゆる媚薬、媚毒の効果を持つ。
 千歳やスライム、リリアーナによって胎内に注がれた時、自分でも抑えることが難しいほどの疼きに苛まされた。
 体液に侵された体はどこを触れられても、これまで味わったことのない心地よい刺激が生まれる。そのあまりの快感の強さには人間の、雌の体を持つものには耐え難いものであり、抵抗することも許されず、グズグズに蕩けさせられてしまう。
 下手をすれば理性さえも蕩け崩され、狂ってしまうものだっている。
 リリアーナを始めとして、千歳やスライムによって注がれたことのある初夏は、心を狂わせることは免れたが、全身を蝕む淫熱と、快楽を引き出すことに長けたラファズたちの陵辱にはまったく抗うことができず、何度も何度も果てさせられ、純度を増した活力を捕食され、更なる超快感を味わわされた。

 「は……ぁ……っぅ……っ」

 その時に行われた行為は、快楽は、女としてある体にしっかりと刻まれていた。忘れることなどできない、許されないほど深く大きく。
 そんな気を抜けば容易く心を堕とされてしまうだろう魔の薬、毒に浸けられたことによって、かつての記憶を呼び覚まされ、初夏の体を余計に熱く昂ぶらせる。
 何も触れられていないというのに、ツンとそそり立ち自己主張を始める桜色の肉芽。敗れたスーツから覗く媚肉が引くつき、女の部分が戦慄いてしまう。それによって生み出された蜜がこぼれ、媚薬液に混ざっていく。
 意図せずして熱に浮かされた吐息が漏れ吸入器を曇らせ、桃色の液体でもなお分かるほどに初夏は頬を赤く染めていた。

 (だ……め…………っ)

 強力すぎる媚薬と記憶に苛まされることに危機感を覚えるのだが、指一本動かすことさえ困難な今、じくじくと蝕まれていくことしかできない。
 漬けられているということは、常に媚薬を全身から吸収させられているということで、体がこの媚薬になれるまで、疼きは更なる激しさをまし、性感は際限なく上昇し、初夏の体を狂わせ続けていく。


 「はぁ……っ、はぁ……っ……っはぁ……っ」

 淫熱を排熱するかのように呼吸を荒くするも、効果は少しも現れることなく、息を吐く間隔よりも早く加速度的に高まっていく。浮かされた頭は霞がかかり、水分ということも相まって視界も思考も朦朧としたものとなってしまう。
 どれだけ気を張ろうとしても、既に追い詰められている状態ではそれも微々たる抵抗でしかなく、ほぼ無防備に晒された、リリアーナによって整えられた淫体は止めどない発情状態へと無理やり引き上げられていた。

 (む……ねが…………おな……かが……あ……そ……こが……あ……つ…………あ……つ……い……っ)

 虚ろに揺れる瞳は光が徐々に失われていく。半開きになった口からはだらしなく涎が垂れ、吸入器を汚す。
 まともな思考は失われ、体を蝕む感覚にただただ翻弄されうめつくされていく。
 媚薬に侵された初夏は今正に完全な無防備を晒すこととなっていた。

 その瞬間だった――

 「――――――――――――か――――――はっ――――」

 不意に走った下腹部からの衝撃に、肺の酸素をすべて吐き出すかのような、声にならない悲鳴を上げながら体を引き攣らせた。
 初夏の体が媚薬に侵されるこの瞬間を待っていたのだろう。足元から伸びてきたケーブルによって、媚薬によって散々に発情させられ快楽を求め開き始めていた秘裂を押し広げ貫かれていた。
 ケーブルの先端は注入口とも言えるディルドーが取り付けられており、初夏の膣、襞を傷つけることなく、一息で子宮口まで差し込まれた。

 「ぁ……ぅ……あ……」

 先ほどまで半開きになっていた口を思い切り開き、酸素を求める魚のようにパクパクと開閉しながら艶がかった声を漏らす。
 おとがいを反らし、指を伸ばしきり、つま先まで引き攣らせ堕落の悦びに全身を飲み込まれ小刻みに震わせていた。
 接続部付近が泡をたてているのは、極まった快楽で潮をまき散らしているのだろう。何度も何度も、腰がひくつく度に生まれている。
 全身から媚薬を吸収したことによって発情しきった体、そして性感を過敏にさせられ続けた初夏の秘裂は、激しすぎるはずのディルドーの挿入を容易にし、熟れた淫襞は擦り上げられた瞬間、かつてないほどの大きな快感の本流となった。
 襞一つ一つがグリッと抉られるようにめくられる度に、視界では極彩色の光が弾ける。ゴリッと子宮口を押しつぶされると、子宮から快感が電流となって脳を焼き、次の瞬間には恍惚な痺れとなって全身を蕩けさせる。

 (な……に…………こ…………れ………………)

 今まで感じたことがないあまりにも強烈すぎる快感。リリアーナの時や千歳にされた時とはまた違う機械ならではの無機質で無遠慮な刺激に、抵抗するすべを持たない初夏は成すすべなく絶頂へと追いやられた。
 
 「か――は――――――――あっ、あ――――――――――――――!!!」

 挿入された注入口は、最奥に口を付けたまま削岩機のような動きでピストン運動を始める。
 既に愛液を垂れ流すためにくぱくぱと開かれている子宮口を更にこじ開けんと叩き続ける。

 「はぅ! あ! あ!! あ、ぐ! あ! あああああ!」

 襞が戻され、めくられ、子宮口を叩かれ、また戻される。一定のリズムだが力強い一撃は、痛みさえ生み出しそうなほどだというのに、発情させられきった初夏の膣内は、その刺激全てがまるでクリトリスを弄くり回される刺激に匹敵するほどの快楽として伝えられる。
 快感神経の塊とも言えるクリトリスだ。それを弄られた時の刺激は、初な蕾でさえ悶えさせられ、熟れた果実さえも狂わせる。
 そんな禁断の淫芽と同じレベルの快感が、襞を刺激される度に駆け抜けるのだ。その感覚は想像を絶するものだろう。
 現に初夏は体を弓なりに反らしたまま、目を見開いたまま悲鳴のような嬌声を上げ続け、媚薬溶液に恥辱の蜜を勢い良くまき散らしながら限界ギリギリの快感に翻弄され続けている。

 「あう! あ、っ! は、はひ! ひぐ! ひ! っ、っ、っキヒィィィ!!」

 ゴリッゴチュっ、グリッグリュ、グチュッ
 胎内からそんな音が響く度に初夏は体を跳ね上げる。
 視界は幾重にも極彩色が弾け重なり、それ以外を映してくれない。極彩色が弾ける度に、頭の中が空っぽになって、それをうめつくすかのように快感絶頂の波が押し寄せ全てを塗りつぶされる。

 「っ! ~~~~っ、っ、っ――――っぁああああああああああああ!!!」

 完全に脱力しきっているはずの体から無理やり嬌声を吐き出す。自分の体が形を保っているかさえ怪しいくらいに何もかもがドロドロに蕩けていく。
 これが快楽だということを知らなければ、何らかの形で抵抗することができたかもしれない。しかし、雌の悦びをリリアーナたちに刻み込まれた初夏の体は、確かな愉悦となってしまっている。
 心地よくて、心地よすぎて、頭の先から指先つま先に至るまで痺れるような甘い甘い甘露となって初夏を魅了し堕落させる。
 抵抗しなくてはいけないのだが一体何に抵抗をすればいいのかを理解させる暇も与えられず、ただひたすらに快楽絶頂に浸される。

 「――! あ――――! ぐ――――――っあ――――――!!」

 もはや絶頂でない時間の方が短いのではないかと言えるほどにひたすら絶頂を迎える初夏。そんな彼女を更に追い詰めるかのように、ディルドーの動きはより激しさを増す。まるで性行為の収束に向かうかのようだった。
 既に幾分か緩んだ子宮口を超えて子宮内にまで入り込みながらピストンするディルドーは、最高のポジションを求めるかのように、もっともっと奥へと突き進まんと何度も何度も行き来してはより深く自らをねじ込んでいく。

 「――――――――――――っ――――――っ!!!!」

 深くなれば深くなるほど膣内を通る時間も触れる時間も増える。激しさを増すピストンに加えて快楽を与えられる時間も伸ばされるのだ。
 子宮口を抉られて、襞をめくられて、こすられて。一動作の度に狂ったように痙攣する。
 溶液内でくぐもった音が響き、溶液と愛液が撹拌し白く泡立って溶けていく。
 度重なる絶頂に次ぐ絶頂と水分によって脱力されていたこともあって、括約筋を締めることさえ許されなかった尿道からは、ついには小水を垂れ流してしまう始末。溶液に色があるために粗相は外には知られることはないが、尿道さえも開発されている体は、より一層自らを追い込む形となり、快感を上乗せしてしまったために、膣は反射にも近い形でディルドーを思い切り締め付けた。
 
 その瞬間だった――

 「――――――――――――――――――――――――――――――――!!!」

 締め付けられる体を無理やり押し込み、子宮口をこじ開けたディルドーは、それでもとどまらず一気に最奥まで突き進んだ。
 ゴリュッ!
 そんな音が胎内から伝えられ初夏の耳に届いた時には、それを認識する余裕など一切なくなっていた。
 
 「ぁ――――――――か――――――――――――は――――――――――――」

 全身を引き攣らせ、小刻みに痙攣をさせながら、目を見開き、口までも引き攣ったように半開きで開閉させる。涎がこぼれようが気にしていられる余裕はない。
 頭の中で、何か大事な、切れてはいけないものがプツプツと音を立てて千切れていく感覚。繋ぎとめようとしていた意識も理性も、体のようにグズグズになっていくのを止められない。
 常人であれば耐えられるはずのない快感を、受け止められるだけの体にされてしまった。壊れ、ただただ快楽を与えられ続けることに狂わされることができたらどれだけ楽なことであっただろうか。
 しかし、受け止められてしまう。
 それはつまり、快楽を悦びとして認識し、人としての尊厳など全て溶かされ、雌として貶められてもなおそれを幸せなことだと押し付けられてしまうことなのだ。
 
 (こ……んな…………の…………も……ぅ…………)

 快楽をどこまでも心地よいものだと思い知らされてしまえば、それは蔦のように心までもを絡めとって、雁字搦めにして逃げられなくなってしまう。
 心は壊れていない。耐えることができる。だが、作り変えられることは防げない。どれだけ抗おうにも、快楽という熱を持って、ひたすら体に打ち込まれ続ければ、形は打ち込まれただけ変貌を遂げてしまう。
 ましてや、快楽という熱は灼熱のそれだ。蕩けるまでの時間は一瞬で、抗う暇など与えてもらえない。その身を快楽に晒した時にはもう手遅れだと言っていい。
 貞淑な巫女であろうとも、一騎当千の姫騎士であろうとも、その熱に触れてしまえば、変異を免れない。
 そして一度変えられてしまえば、抗うすべも、逃げるすべも、ない。

 快楽に捕らわれる。
 抵抗は体が放棄してしまう。
 やがて心まで捕らわれ、堕ちていく。

 そうするためになのか、はたまた別の目的があるのか。最奥まで辿り着いたディルドーは、灼熱の本流を吐き出した。

 「――――――っぁ――――――――ぁ――――――――っ」

 一瞬で満たされる子宮内。
 同時に訪れるのは、圧倒的な快楽で。その瞬間初夏の体は一気に弛緩した。
 強すぎる快感。絶頂に次ぐ絶頂を味わっているさなかでの上乗せするかのように襲い掛かってくるさらなる絶頂快楽。
 許容量を大幅に越えた快楽にさしもの神の戦士であっても耐え切ることはできず、強制的に意識を落とされてしまった。
 だが、それでも快感は与えられ続けているのならば、初夏の体の痙攣は止まろうとはせず、ディルドーから吐出される液体の注入に何度も何度も体を震えさせていた。

 「――っ――――――っ――――――――――っ、っ――――――」

 かつてリリアーナや千歳に襲われた時にも訪れた限界。
 乱れて感じてしまう自分を恨めしく思う反面、どうすることもできない快楽に屈服しそうになってしまい、必死に歯を食いしばり耐え続けた。その先にある境地ではあるのだが、その抵抗こそが初夏の体をより淫らに、より脆弱にさせていっていた。
 耐えて、意識を保ててしまうから、延々快楽の味を覚えさせられてしまう。
 雌として開発された体は持ち主の意思に逆らって貪欲に快楽を貪り、勝手に屈服を示す。

 その先にあるのが、こうして快楽に打ちのめされ、敗北の姿を晒す戦士だったものの末路だ。
 
 もはや初夏は、快楽から逃れることは許されない。
 正常な状態であればまだマシかもしれないが、一度快楽を与えられたら、その瞬間に体に裏切られてしまうのだから。

 神の戦士であり、リリアーナという狂者に見初められた、ラファズの巫女。

 リリアーナが自らの好みにするために改造をほどこされた愛玩存在。
 
 捕らえることができたものは幸運だろう。腹を満たし、自らの欲を満たすためにどれだけでももてあそぶことができるのだから。

 その欲を満たすために、機械は意識のない初夏に更なる責めを施すために新たな道具を用意する。
 初夏の釣り鐘のような大きな胸を責め立てるために用意された搾乳器。
 これまでにいっさい触れられることなく、だからこそ大きく成長し自己主張を迎えたクリトリスにシリコンのような素材のイボのアームで包み込む。

 「――――――っ――――――」

 ビクンと、初夏の体が揺れる。
 機械が動き出すのは、おそらくは同時であるのならば、初夏が味わう快楽は先ほどなどとは比べ物にならないレベルなのだろう。
 だが、機械に意思がないのならばただ与えられた命令を実行するだけで。
 
 意識もなく、快楽に捕らわれた初夏に防ぐ手立てはないのならば――

 「――――――――――――――――――――!!!??? ――――――――――――――――!!!!!!!!」

 再び始まった機械の責めに、意識を無理やり覚醒させられながら悶えイク。

 快楽絶頂地獄はまだ終わりそうにない。


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2-4-1


プリズンファンタジア~亡国の聖騎士~
エロして脱出RPG
レベル上げ要素がないらしいのでその辺りがダメだとちょっとつらいかも……?
でも絵はかわええエロい!


ガス攻め初夏
「ぁ……は…………ぁ…………っ……」

 どうしてこんなことになっているんだろうか、と、ふと冷静な思考が一瞬浮かび上がる。
 だがそれは本当に一瞬で、次の瞬間にはももいろの靄に包まれて思考はおろか何もかもが曖昧なものとなってしまっていた。
 ただ一つだけの感覚を残して。

「あぁ……いい塩梅になってきたけれど、もう少し……かな……」

 ぼやけた視界の先で、白衣に身を包んだ女性が何かをつぶやいていることは分かる。
 それが何を意味しているのか、今の初夏には理解することはできず、理解をするよりも早く、突如視界に肉肉し赤が広がり、初夏の顔を全て包み込んだ。

(ぁ――――ま……た――)

 顔を包むそれはまさしく触手で、まるで口のような器官で味わっているかのように蠢き、ジュルジュルと汚らしい音を立てる。
 初夏の味に興奮でもしているのか、接触面の隙間から時折ボフッとももいろのガスが漏れ出している。
 
「――っ――――っ、っ」

 ガスが漏れだすたびに、初夏の弛緩している体が弱々しくだがビクンと跳ね上がる。
 同時に、腹部が小刻みに痙攣を起こす。まるでその下に息づく女性と器官が悦びを表しているかのように。
 それを証明しているかのように、普段は決してははくことのないホットパンツの股間部が、おもらしでもしたようにシミを作っていた。

(ふぁ……ぁ……ぁぁぁ…………)

 ボフッボフッと、音がなるたびに、自分の体が蕩けていってしまっているのが分かる。
 が、それに抗うようなことはしない。することができない。
 部屋に入った瞬間から、すでに充満していたももいろのガス。
 媚薬、媚毒の類で人の体を芯から淫らに堕とすそれに犯され、更に口から直接かがされてしまうということを、かれこれ数時間。
 普通の人間であれば、狂ってもおかしくないほどの量を、初夏は延々口から、肌から吸収させられている。
 既に手足どころか指先にも力を入れることができないほど、弛緩し体を開発され開かされてしまっている。
 
(ぁ……ま……い…………すご……あ……ま……ぃ…………)

 蕩けるような甘さ。
 甘味などとは比べることができないほどに、だがくどさもなければどれだけでも摂取できてしまいそうで。
 求めることは危険だというのに、一度体に取り込んでしまうと、抑えることができなくなってしまう。
 人の欲求を満たす甘さが、悦びが、女の体を犯し狂わせる。

「…………うん。いい顔だ……あぁ……ぞくぞくする……!」

 不意に初夏の顔から肉触手が剥がされる。
 視界に光が戻ったというのに、初夏に大した反応は見られない。
 ガスに蕩けさせられた、蕩けきっただらしのない淫らな雌の顔をさらしていた。
 焦点の合わない瞳は熱病に浮かされたように潤み、半開きの締りの悪い口は、端からダラダラと涎を垂れ流している。
 そんな初夏を見て、女性は興奮を抑えきれないといった様子で、一つ体を震わせる。
 
「でも、まだ早い。そう……まだ……もう少し……」

 自分に言い聞かせ、必死に欲求を抑えこむと、新たな触手が初夏に向って伸ばされる。
 胸と、股間。
 食らいつくように乳首ごと飲み込み、抑えこむように股間に食い込む。

「ぁ……はっ」

 ビクンと、一つ強く跳ね上がる初夏の体。
 たったそれだけで絶頂を迎えてしまいそうだったのか、痙攣がより深まる。
 しかし、触手はそれ以上の強い刺激を与えないように緩やかな動きとなった。
 強い快楽を与えるためではない、快楽を体になじませるように、ゆっくりと、優しく。
 今はまだ、下ごしらえの段階だ。
 食事が美味になるのはこれを越えた先。
 それをわかっているから、目の前の、日下部初夏という食材が、どれだけ美味しそうな反応をしても、女性はつばを飲み込み、作業を続ける。

「は……ぅっ……ぁ……ぁぁぁぁ……っ!」

 なじんでいく。
 体が染められていく。
 しかし、これが初夏と女性、牧村千歳との契約なのだ。
 初夏を救ったという貸しを返してもらうための。
 だからこそ、初夏は抵抗できず、千歳の思うがままにされ、活力を明け渡す。
 
 これから待っている淫靡な宴に思いをはせて、二人はただただ淫らに堕ちていく。





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2-2

あらすじ
牧村千歳に活力搾取陵辱を日が暮れるまで行われた初夏。目を覚ましふらつきながらも、目の前に千歳がいることを確認すると攻撃しようとする。だが、千歳は全力で謝罪して自分の今のあり方を説明する。納得のいかない状況ではあるものの、こうして解放されたことや、事後処理をしっかりとされていたことでその場は信じることにする。
そして帰宅しようとするときに、千歳とは別のラファズの気配を察知し向かった先は学園のプール。少し前から原因不明の故障でプールが使えない状況にあったその給水口からずるりと現れたのはスライム方のラファズ。プールを満たすほどの大きさなのは水分を吸いまくった結果なのか、とにかく、プールの底をずるずる這い回るだけで知能は低いと見た初夏は、限界ぎりぎりまで消耗しているにもかかわらず戦闘態勢をとる。それに反応したかのようにスライムも初夏に敵意を見せて襲ってくるが、炎をぶつけてあえなく撃退……にならず、炎を意に介さずに初夏にまとわりつく。水分の多量に含んでいるスライムにまとわりつかれた結果、もともとの消耗とを合わせて弱点の水分により完全に脱力してしまう。抵抗力をなくした初夏をスライムは人型を形成しながら捕らえると、それにとどまらずに陵辱を開始するのだった。


「ぅ……ぁ…………ぁ……や、め…………ろぉぉ……」
 力のない声で、しかしそれでも全力の抵抗をする。しかし、当然ながらスライムはそれを聞き届ける気もなければ、初夏のインナーを破りぷっくりとした柔らかな秘所に触手を這わせる。
「ん、ぁ……っ……! ぁ……、は、ぁっ……ぁ……ぁ、ぁぁ……ぅぁぁ……っ」
 昼間千歳に、正体を失うほどにぐちゃぐちゃに陵辱されてしまったこともあり、たったそれだけのことで子宮が反応して、ゴプリと粘度の高い愛液をあふれ出す。ぬるぬるの触手が上に下にとせわしなく動くたびに、ヒクヒク震える秘所と同じように体が震える。
(だ……め………………ぜ……ぜん、ぜん……ちから……はいら、ない……)
 抵抗力を根こそぎ奪われた初夏は、それでもこの状況を打開しようと動かないからだと回らない思考を使おうとする。そんな初夏をあざ笑うかのようにスライムは、初夏の肌がむき出しの太ももやほほをベロリと触手状にした体でなめ上げる。
「ふぁ……ぁぁぁ……」
 たったそれだけで初夏の抵抗は終了する。抗おうと光を宿した瞳が揺らぎ、いっそう全身から力が抜けてしまう。
 その瞬間を待っていたかのように、スライムは初夏の秘所をベチャリと愛液を絡めながらなめ上げる。
「ん……はぁぁぁぁ…………っ」
 何もかもへの耐性を失っている初夏はその程度のことで脱力している体をビクンと跳ね上げる。皮肉なことにその瞬間に揺らいだ瞳が正気に戻るのだが、状況は一向に変わりはしない。それどころかうつろになっていく意識を無理やりに覚醒してしまい、快楽をはっきりと感じてしまうことのほうが問題だ。
(く……そぉぉ……)
 もてあそばれているという事実に、憤りを覚えるものの、その怒りが全身を満たす前に、別の熱が体を満たし始めた。
(な、こ……これって……まさ、か……)
 不意に子宮を中心に膨らんでいく熱。自分の意思に関係なく体を熱く発情させて、異形の陵辱を受け入れてしまう甘美な毒。媚毒。
「うぁ、ぁぁああぁ……ぁ、あぁぁぁぁ……!?」
 ただでさえ快楽に弱い体だというのに、そして陵辱行為によって快楽を叩き込まれてきたばかりだというのに、そんなものまで使われては今の初夏にはたまらない。
 さっきまでと同じ刺激のはずが、倍以上にもなって熱くなった体に与えられる。
(ま……まず……ん、ひぃぃぃ!)
 感度が飛躍的にあがってしまった状態に戸惑った瞬間、股間にもう一本の触手が伸び、女性のもっとも敏感な部位であるクリトリスを包んだ。
(くり、トリス、がぁぁ……ぜん、ぶ……全部、包まれ……ちゃって……ぇ……)
 快感神経の塊ともいえる淫核を余すことなく包み込み、そのままグニグニと揉み解す。完全に勃起しているというのに、形が軽く変形するほどの快感マッサージに脱力した体が、電流でも流されたかのように跳ね上がった。
「あは……っ、ぁ……く、あ……あぁぁ、……ぁぁ!」
 ビリっビリっと、クリトリスが形を変えられるたびに思考を白く染める刺激が走り、全身に鳥肌が立つ。普段汗などまったくかかない初夏が、このときばかりは玉の汗を浮かべる。度重なる愉悦に艶っぽい息が漏れる。
「んふぁぁ……あ、あぁぁぁ……! あ、あぁぁあぁん!」
 それだけに飽き足らずスライムは、あたりに音が響くほどの勢いで吸い付き始めた。ジュルジュルと粘っこい音を立てる。ギュプギュプっと、時折できる隙間のせいで淫猥な音がもれる。同時に浮かび上がってくりが蕩けてしまいそうな甘ったるい快楽。クリトリスが取れてしまいそうなほどの吸引に、頭が真っ白に染められていく。
「あっ、ひぃいいぃい! いや、らぁぁ……! い、あ、あ、ああぁ! い――あぁあぁあぁぁぁ!」
 甲高い悲鳴ともに、長く突き出した舌をピクピク痙攣させる。ビクビクッと腰を跳ね上げながら、ぷしぷし音を立てて潮を噴いた。
「ぁ……ぁぁ、ぁ……ぅ、ぁ…………」
 敏感すぎる豆だけでの絶頂。ゾクゾクと溶けてしまいそう快楽の余韻が抜けずに、腰が抜ける。その拍子に緩んでしまい、ちょろちょろととお漏らししてしまう。
「ふぁぁぁぁ……あぁぁぁぁぁ……! ぁー……あぁー……!!」
 尿道まで性感帯にされているために、小水が出続ける間、激感を生み出し続ける。脱力しながらでも悲鳴を上げてビクンビクンと痙攣しまくる初夏。ピュッと最後に残りを飛ばして、ようやく絶頂がとまる。
「はぁ…………はぁぁ……ぁ…………ぁ……はぁぁ……はぁ……」
 汗が滝のように流れてインナーに吸い込まれて、もともとボディラインをはっきりと浮かび上がらせているそれをより肌に吸い付かせる。
「んあぁぁぁ……!」
 深くな艶かしい呼吸をして大きな胸を振るわせる胸をグイっとわざわざ人型の手にして持ち上げる。思った以上に敏感になっていたのか、それだけでぴりぴりとした微電流のような快感が胸に満ちる。
「く…………ぁ……ぁぁ……は、ぁぁ……」
 全身には倦怠感が走っているというのに、体の奥の奥……子宮は刺激をほしがって秘所をヒクヒクと振るわせる。愛液も次から次へと涎のように垂れ流してスライムに染みていく。
 ヒクつく初夏の秘所の欲求に答えるためのように、スライムから一本の触手が再び現れる。
(ぅ……ぁ……な、なに……それ…………そん、な……ふと、すぎ……る……)
 いまだにはっきりしない視界に飛び込んできたのは、初夏自身の腕ほどもあるのではないかというほどにたくましい触手。ネットリと動いて割れ目にあてがわれると、グリグリっと押し広げながら入り込んでいく。
「うぁぁ……あぁぁぁぁ!」
 限界かと思うほどに広げられた秘所に、無遠慮に入り込んでいく触手。もともとが粘液なために複雑な膣内の形にぴったりと合わさって粘液をなめ取りながら侵略し、あっさりと最奥である子宮口までたどり着いた。
「か――は――ぁ……ふ、と……いぃ……」
 水分と絶頂で力が抜けているために何の抵抗もなく制圧されてしまった膣内。当然といわんばかりにそれでは飽き足らないようにごつごつと子宮口をたたき始める。
「うぁ、あ、ぁ、あぁぁ、あ、あぅっ、お、ぉくぁ、ぁぁぁあぁ!」
 膣としっかりと形を合わせているために、動かれると信じられないくらい甘い電流が駆け巡る。子宮口に激しいキスを叩き込まれるだけで、ごぷごぷと緩んで愛液という名の涎がたれ流れる。
(ぅあぁぁぁ……これぇ……すご、いぃぃ……すごいのぉぉぉ……)
 昼間の陵辱で精神力と体力を大きく削られたこともあり、スライムのもたらす相性がよすぎる触手ピストンが削岩機のように初夏の理性を突き崩していく。
 抵抗しなければいけないという気持ちは確かにある。だがどれだけその気持ちがあっても、体がいうことを利かない。それどころか率先して理性を砕いていこうとする体たらく。
「む、ぐぅぅ!?」
2-2.png
 追い討ちをかけるべく、スライムは人型の口から触手を伸ばし、初夏の口をふさいだ。そのまま下の口と同じようにピストンを開始する。
(うぁ、ぁぁぁ……くち、までぇぇ……しかも、これ……あま、い……のぉぉ……)
 スライム自体の味なのか、スライムが分泌している粘液なのか。どちらにしてもそれが舌の上を這うだけで、えもいえぬ甘美さで、脳を焼く。そのままピストンされると、まるで口がオマンコにでもなったかのように気持ちがいい。
「んぶっ、ん、お、ぶ……んふ……あ、ぉぉぉ……んほぉぉぉ…………!」
 グチュズプっと下も上も卑猥な音を響かせる。だがそれが響くたびに、初夏には強烈な快楽となって染み渡る。
(あぁぁ……だ、だめぇぇ……こんな、ふうにされ……たら……ま、またぁ……イくぅぅぅ……イッちゃうのぉぉぉぉぉ!)
「ん、ふおおおぉおおおおおおぉおぉおぉぉぉおおおぉおおぉ!!!」
 じわぁぁ……と快楽の波が広がった。ゴリゴリと襞をめくられ戻され、相変わらずクリトリスを吸われもまれ続け、口を犯されて、無防備な体はあっさりと二度目の絶頂を迎えてしまう。
 体をびくびくと痙攣させて、潮を噴く。汗で髪がほほに張り付くのを気にすることもできないほどの憔悴して小さな呼吸を繰り返す。
 だが、スライムの陵辱はこの程度では終わらない。
「んぶぉぉぉ! お、おおぉぉお! あ、おおぉぉおおおおおお!」
 絶頂を迎えてキュウキュウと締まった膣を柔軟性のあるその身を生かして、意に介さず子宮口をたたく。絶頂で下がりきった子宮は先ほどなどとは比べ物にならないくらいの快楽を生み出し、初夏の全身に激悦の電流を迸らせる。
(あぁぁぁ……つよ、すぎるううううう……ま、たぁぁ……すぐ……にぃぃぃいいいい!)
「むうううううううううううううううう! ――――――――――――――――っ――――――――っ!」
 ゴリュン。
 衝撃は一瞬。そして生まれた快楽は一瞬にして全身を包んだ。
 前触れもなく、初夏が絶頂を迎えた瞬間、ついに触手は初夏の中心へと入り込んだ。
「ん……ぉ……ぉぉ……ぉ…………ぉぉ……ぉ……ぉぉ……」
 ビクンビクン。
 不定期に痙攣をしながら、いまだに絶頂の余韻からさめることなく――冷める前に触手が子宮内で暴れだす。
(らめぇぇえ! そ、そんなに子宮いじめたらぁぁ! あ――! あ――――――――!)
 太すぎる触手だというのに、スライムのボディを利用して、ひたすらに子宮内を蹂躙する。壁をぐに、ぐに、とへこまされるだけで、簡単に絶頂へ追い込まれてしまう。大量の愛液が次から次へと流れ、暴れるたびに潮を噴く。クリトリスも連動しての刺激に、堪えることなどできるはずもなく絶頂に絶頂を重ねていく。
「おおおおおおおっ! んんんんんん! んおおおおおおおおお!」
 とまらない絶頂は、脳髄にズンズンと衝撃を与えて、意識を混濁させていく。
 口をふさがれていなければどれだけ浅ましく泣き喚いていただろう。許しを請うこともできないままに初夏は絶頂に埋もれていく。



「……ぁ………………ぁぁ……」
 数え切れないほどの絶頂を味わわされた初夏は、昼間の陵辱のダメージもあいまって意識を保つことができずに気を失ってしまった。それでもスライムは陵辱をやめることなく完膚なきまでに初夏を陵辱しつくした。
 そして、初夏の意識が陵辱行為により浮上しなくなるまで続けた後に、行動にでた。
 初夏を包み、ずるりずるりと移動を開始する。目指す場所がどこなのか、初夏がそれに気づくこともできなければ、ただただ愛液と尿を垂れ流すだけだった。
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2-1

あらすじ
 リリアーナとの戦いをなんとか乗り切った初夏だが、その体はもはや治療の施しようはなく、日常生活すら困難になるほどありとあらゆる刺激が快感となるほどの淫らな体質になってしまっていた。
 それをどうにかすべく、ツクヨミは少ない力を何とか駆使しながら得意の道具精製を行い初夏の性感、性欲を抑える封印のアイテムを作り上げる。これにより初夏は何とか普段の生活を行えるようになり、三日後の今日、ようやく学園へと赴くことができたのだが――

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「っぅ! おま……え……!」
 一瞬の出来事だった。警戒する間も気がつく間もないほどの速度で触手が初夏の体に絡みつき、ここ保健室のベッドへと押さえつけられてしまった。
 完全に油断していた。普段怪我をしなければ病気もほとんどすることのない初夏にとって、保健室などという場所は今まで無関係だった。そのために、この保険医が異質な存在であることを気づける機械を失っていたのだ。
(だからといって……)
 だからといって、目の前に来ていながらこの体たらく。ツクヨミの力を受け取ったときから、神・人類にとっての天敵であるラファズの気配は読み取ることができるようになった。だというのにこれだけ接近していながら気づくことができなかったというのは、あまりにも間抜けすぎる。
 ギリッと歯を軋ませながら、初夏は保険医・牧村千歳(まきむらちとせ)という人間の皮をかぶった人外をにらみつけた。
「はぁ……はぁぁ……どう……して……あなた、は……」
「え……?」
 そんな初夏の視線を受け止めることなく、千歳は自分の体を抱いていた。そして苦しそうに呼吸を繰り返しているのだが、蠢く触手は苦しむ本体とは違い目の前のご馳走に今でも食いつきかねないほどに餓えた獣のように先端から涎のように液体をこぼす。
「っ――れ――!?」
 しかしそれこそが狙いであったのか、滴った液体は途端に甘ったるい臭いを立たせ室内を満たしていく。鼻にかかり、口からついと吸い込んで、それが失敗だと気づくのに時間は要らなかった。
(くぁ……! これは……催淫効果が……! からだ、が……熱くて……ちからがぬけ……る……!)
 性欲を抑える封印のアイテムは今も首からかかって胸元に隠れている。だが、アイテムは結局のところ初夏自身のものを抑えるので精一杯の効果なのだ。外部から与えられた新たなものまで防ぐ力はない。
(た、耐えないと……ながされ、たら……あのときのように……)
 だが甘い臭いの元は止まることもなければどんどん強くなっていく。呼吸をいつまでも止めておくことなど不可能ならば、それ以上に肌に触れるだけでも浸透してきている。
 そして何よりも、耐えるために思い描いた記憶が初夏を蝕んだ。
「ふぁ……ぁ……」
 脳に桃色の霞みがかかっていくのと同時に思い出されるリリアーナから受けた数々の陵辱。消えることなく心にも体にも刻みこまれているのなら、今の状況では完全にマイナス効果だった。
 ブルリと全身が快楽への期待に打ち震えてしまうのが分かった。心でどれだけ拒もうとも、体は淫らな行為を欲してしまう。そんな体質にされてしまったとツクヨミは言っていた。事実その通りで、憎き敵を目の前にしているというのに、ドクリと心臓が跳ね上がり、受け入れる準備といわんばかりに秘部が潤っていくのが分かってしまう。
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「どう……して、あなたは……そん、なにぃ……は……ぁぁぁ……」
「ぅぁ……?」
 蕩けそうになる自身を叱責して何とか保たせようとしている初夏。そしてすぐにでも襲いかかれる立場にありながらむしろそれを抑えようとしているようにも見える千歳だが、充満している淫らな香りに当てられてしまったのか、初夏以上に甘ったるい声をだす。連動するように触手がざわめき初夏の頭上にひときわ大きな触手が現れた。
(なに……こ、れ……まさか……これで私を……?)
 触手は初夏の顔をすっぽりと覆えてしまうほど。表面はびっしりと繊毛が蠢いており、そこから毒々しいガスのような色をした呼吸を繰り返すように、ゴフゴフと音を立てながら近づいてくる。それがまた強烈で、辺りを満たしているそれなどとは比べ物にならないくらいに頭がくらくらしてしまう。
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「もうダメ! 我慢できないぃぃぃ!」
「むぐぅう!?」
 一線を越えるのは実にあっけなかった。
 やはり耐えていた千歳が欲望に負け本能を解放した瞬間、ようやく得た自由に歓喜するかのように触手が一斉に活動を開始した。
 初夏の顔には先ほどの大きな触手が食らい付き、飴細工でも舐めとるようにグジュグジュと卑しい音を立てる。それにあわせて吐き出される淫らなガス。噴出するたびに初夏の体は大きく跳ね上がり、ビクンビクンと痙攣する。
(ぅ、ぁ……ぁ、ぁぁ……とろ、け…………る……とろけ……るぅぅ……たえ……る、の…………たえ…………てぇぇ……)
 淫らな体はあっさりと初夏を裏切って淫毒を受け入れていこうとする。必死に耐えようとするのだが、もはや懇願に近い。
 快楽を知ってから間もない彼女の体は、人の欲望に忠実すぎて本人の意思さえも無視して満たしてくれる相手に差し出そうとする。
「むぅ……んむぅぅ……ぅぁ……ぅ、っ……ぁぁ……」
 そんな初夏をあざ笑うように、触手は次の行動に移る。トロトロと流れ出る愛液を受け止め続けたせいでその機能をほとんど果たすことができなくなったブルマとショーツ。それを押しのけてると前戯なしで無遠慮に突き立てた。
「むうううううううううう――――――――――――!!!?!?!」
 光が走った。
 股間から脳天に向けて甘ったるい癖に強すぎる快感電流が突き抜けて、抑えられているのにもかかわらず背中が浮き上がり、弓のように反れた。焦らされていたわけではないのだが、散々に淫毒を浴びせられた体は信じられないほどの快楽を生み出し、あっさりと限界を超えての絶頂を迎えてしまった
のだ。
 プシっプシっと秘部から潮が飛ぶ。なかなか頂上から降りてこられないのか、突っ張ったまま痙攣を繰り返す。
 だがそんな初夏に対して触手は情け容赦なく、動き出した。
「むぐうう!? っ! んむううううううう! む、むぅううううううううう!!」
 腰が蕩けた。前後にズルリと触手が動いた瞬間に、ペタンと背中がベッドに落ちる。だが痙攣は止まらない。絶頂の中にあったままでのピストンは更なる快楽を生み出し、絶頂を重ねられてしまう。
(ぅぁぁぁ――ぁ――っ! 蕩けるぅぅ……蕩けてしまうぅぅ……ぅあ! あ、ひぃぁぁぁあぁぁ!)
 まるで膣の全てがGスポットにでもなったかのような襞を押しのけひっくり返すたびに、甘すぎる快感電流が駆け抜けては絶頂してしまう。
 ゴチュ! グチュ! と激しすぎる音を響かせながら、子宮口まで叩かれて初夏は声にならない声で悲鳴と嬌声を上げる。
(まけ……な…………まけ………………な……ひっ…………こ……な…………のに……なん…………て……へぇ……)
 それでも、耐えることなど不可能なレベルまでグチャグチャに蕩けさせられてなお、初夏は心で抵抗しようとする。形だけともとれないそれだが、そんなものでもしないよりはと、呪詛のように繰り返す。
 心の声など聞こえないはずの触手だが、それをあざ笑うかのように、初夏の最奥をごつごつとつきたてる。子宮口をこじ開けて初夏の中心である子宮に入り込もうというのだ。
「むぐぅぅぅぅ……! むぅうぅぅぅ……!」
 首が動くのならいやいやとふっていただろう。力の抜けてしまった体ではそんな小さな抵抗すらも許されず、ついには無理やりにこじ開けらた。
「――――――――」
 声を上げる余裕はなかった。もしくは触手にすべて吸われてしまった。
 その刺激は強さではなかった。強いて言うのなら純然たる甘さ。ジワァァとたったいま侵され犯されてしまった子宮から、何もかもを完全にドロドロに溶かしてしまう甘い甘い本流が初夏の体に絡まり飲み込んだ。
(ふゃ……ぁぁ…………す……………………ご……………………)
 それだけだった。さっきまで抵抗の呪詛を綴っていた頭の中にあるのは、今も飲み込んで全身をねっとりと包んで離さない快楽への悦びの言葉だけだった。
 初夏は完全に触手に負けてしまった。どれだけ犯されたって折れるつもりはなかった。だがそんなレベルではなかった。折れる折れないではなく、ドロドロに蕩けさせられて、静かに横たわらせられてしまったのだ。
 もはや何かを思考するだけの力すらない。子宮を中心に髪の毛一本にいたるまでトロトロだった。
「っぁ……ぁ……っ…………っ……」
緩みすぎて尿道から温かな液体が流れていることも気にできない。それ以上に、排泄で快楽を得られる体はますます日下部初夏を蕩けさせていく。
 ゴブッゴブッ
「――っ! っ! ――――っ! ――っっ!」
 だというのに、完膚なきまでに初夏を快楽の中へと引きずり込んだくせに、触手はまだまだ容赦する気配はなかった。
 前兆も何もなく、突然触手は初夏の子宮の中に淫毒の固まりのような液体を流し込んだのだ。
(ぁ……ちゅ…………ぃ………………とろ……とりょぉぉ…………)
 初夏は絶頂から降りてこられていない。それは最初の絶頂からずっとだ。それでもまだひたすら痙攣を繰り返しての絶頂。
 一般人ならば狂うか死ぬかしているかもしれないほどでも、快楽をむさぼれるように改造されてしまった初夏はそれすらも許されない。
「はぁ! はぁ! はぁ! はぁ!」
 触手の制御を行っているはずの千歳は荒い呼吸を繰り返し、人の顔をしているのに人であることを放棄した形相で、触手を次々生み出していく。
 初夏には気づくことはできない。
 いまだラファズの本分である活力の搾取が行われていないことに。
 明らかに正気を失っているはずの千歳が未だに搾取を行わないということは、まだまだ昇華させるつもりなのだ。
 最上級の活力としたその瞬間を求めて、ひたすらに初夏を料理する。
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「ふぁぁ……………………ぁ…………ぁ……ぁ…………」
 それから何時間が経ったころだろうか。
 すでに高かった日は落ちかけ、青かった空は茜色に染まり室内までも染め上げる。
 何時間もかけての陵辱の末、ついに満足のいくまで昇華が完了したのか千歳はひたすら活力を搾取していた。
 股間の触手か目に見えない何かがちゅるちゅると吸われていく感覚に、意識などとうに蕩けきってしまっているはずの初夏が悦びの声を上げる。
 初夏の体は今でも絶頂の最中にある。活力は吸収されるさいには未知の快感を伴って吸われていく。そのために吸われた人間は誰であろうと耐えることはできずに、一瞬で絶頂してしまう。
 それをひたすら責め立てられてから行われたのであれば抗う余地はない。
 
 だが、千歳の活力搾取はまだまだ終わりそうにない。







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1-5

「んふふ……真っ白ですねぇ」
 百近いインフィたちに初夏を陵辱するよう命令を下してから一体どれほどの時間が経っただろうか。まるでもののように地面に投げ出された初夏は、インフィの吐き出した精液により体中地面を巻き込みながら白く染められていた。
「ぅぁ……ゃ……ぁ…………ぁ…………ぁぁ…………」
 その間に活力は一度も吸収されてはいない。それゆえに変身が解けているわけではないのだが、動く力など微塵もなく、白濁液に塗れたまま虚ろな呼吸を繰り返すことしかできていない。
 そんな初夏を見下ろして呟いたリリアーナの表情は恍惚としていた。
「それじゃあ最後の仕上げといきましょうかぁ……んふふふ……!」
 瞬間、リリアーナの背中にある翼がそれ単体が生物であるかのように蠢き自身を食い破るように無理やり広がり、地面を深く彩っている影を吸収しながら禍々しい形に膨れ上がっていく。そうしてリリアーナ本人など比べ物にならないほど大きくなった影はグチャグチャと生きた触手のような音を立てながら一部が初夏の両手に伸び、絡めとり空中につるし上げた。
「…………っぁ……ぁ……」
 相変わらず初夏の反応は薄い。百以上もの女性を陵辱することに長けている人外に犯されていたのだ。未だに完全に意識を失っていないことを考えればそれだけでも賞賛できることかもしれない。
 だが、意識が失われていないことが幸か不幸かといえば、間違いなく後者となるだろう。
「それじゃあ……ぱくり♪」
 ゆうに人の三倍以上にまで成長していた影翼が、初夏を吊るしている影触手もろとも飲み込んだ。


「ぅ…………ぁ…………」
 初夏の反応が多少なりともあったのは、ひとえに彼女の異常なまでの回復力があったからだろう。
だが今回に限って言えば、それだけが理由ではなかった。
 虚ろで霞んでいた視界が多少なりともクリアになっていくのと同時に、初夏の耳は普段は耳にしないような音を聞いていた。
 ドクリ……ドクリ……何かが蠢くような、何かが注がれるようなそんな音を。
(なに……が…………)
 思考は未だにおぼろげで、すぐに自分が置かれている状況を認識することができていなかった。が、すぐに思い知ることになる。
 ズプリ。そんな感覚とともに、何かが胸辺りにもぐりこんできた。
「――――っ――ぁ――くはっ!!」
 苦痛は一切なかった。あるのは今まで散々与えられてきた「快楽」一つだけ。
「あ――な、あ、あ、あああああああああああああああああああああああ!?」
 絶叫があがる。妙にくぐもっている事に気づけないほどの快楽は、あろうことか初夏の奥の奥へと無遠慮に突き進んでいく。その間ずっと、初夏は快感を覚えるという異常な事態に犯された。
 だが当然、それらは一つでは済まない。
「ひぐぅうううううううう!? あ、く――っっあああああああああああああ! あぁあぁぁああああ!」
 胸に、腹に、両手両足に。いたるところからそれらは初夏の柔肌を貫いて、初夏自身を内側から侵食していくように入り込んでいく。
(おかし、い――――こんなのおかしいのにぃぃぃぃ――! なんで……なん――で――っ!?)
 犯されているというよりも、侵されている。そう表現するほうが適切な状況ではあるはずなのに、脳を焼ききられてしまうのではないかと言うほどの激感に初夏の体は電流を流されたように跳ね上がる。だが、反射的にできた動きは激しいながらも、その体は何かに拘束でもされてしまっているかのように必要以上には動けないでいる。
「うぁ、あぁぁああぁ! つよ、いのぉぉぉ! つよすぎるのぉおぉおぉぉ――!」
 これまでの陵辱で精神が磨耗してしまったのか、恥も外聞もない幼い反応。しかし取り繕う余裕すらなくなるこの侵略行為に、完全に翻弄されていた。
 そして同時に感じていることもある。侵食が進むに連れて、体がどんどん熱を持ち、おかしくなっていくことを。
(なんでぇ……こんな、おかしいこと、されてるのに……からだぁ……あつ、くてぇ……なんだか……おな、かが……キュンキュンしてぇ…………)
 ズプリズプリと、体を侵し犯していくそれが進むたびに、体が変異しているのが分かる。分かってしまう。それが恐怖のはずなのにどんどん薄れていくのも分かってしまう。
(わたし、の体なの……に……違うものに……かえ、られ……て……いくぅぅ……やめてぇ……もう、やめてぇ……)
 懇願は声にならず、あがるのは嬌声ばかり。体中で快楽を感じ、もはやどこで絶頂を覚えているのか分からない。
 壊れた。壊れてしまった。
 そんな言葉がふと脳裏を掠めるが、侵食とは違った衝撃に全てが消し飛び、真っ白に染まった。
「ぁ――――」
 その瞬間体が今までの痙攣とは違い、ブルリと打ち震えた。快と悦が同時に全身を通り抜け、日下部初夏というものを、膣と菊孔の二つをふさぐことによって根こそぎ蕩けさせグチャグチャにしてしまった。
「ぁ……ぁは……ぁぁ……」
 声が上がらない。上げることができない。
(す……ご…………い……こん、な……よすぎ……る……よぉぉ……)
 膣の襞を全て伸ばし、Gスポットを擦り子宮口を超えて子宮にまで入り込んでは膣の入り口まで抜けていく。菊孔は腸にまで到達しそうなほど奥まで入り込みぬけていく。
 二つの穴を埋め尽くすごつごつしたそれは決して巧みな動きをしているわけではない。単純にピストン運動を繰り返しているだけだというのに、繰り返されるだけで体がブルリと悦びに打ち震え力が抜けるほどに蕩けていく。
(お、まん、こ……とおし、り……に……なにか……はい、ってる……と……す……すご……い…………しあ、わ……せって……おも…………ちゃ……)
 膣とアナルが熱いものに塞がれている。それが信じられないほどに心から満たされていると感じてしまう。
「すご……い、の……きもち……い、……い……のぉぉ……」
 気がつけば声に出ていた。そして動くことが億劫になるほどトロトロになってしまっているというのに、それでも腰を動かそうとしてしまう。
 ズプ、ジュプ、ズブっチュグ!
「ぅぁっ、ぁ――イ、ク……っぁ、ひ、ぁ……ぁ、ぁぁぁ……」
 激しくなるピストンに。絶頂の中に放り込まれているというのに、それが辛いと思えない。むしろもっともっとと思ってしまうくらいに初夏は幸せを感じていた。
(ぁぁぁ……イク、ぅぅ……イっちゃうのぉぉ……すご、い……どこか…………消えちゃい、そ……♪)
1-5音あり
 日下部初夏という存在が消えてしまいそうなほどの悦楽。だというのに初夏の顔はどこか嬉しそうだった。ここまで心が満たされていることなど今まで感じたこともなければ、嬉しいほど満たしてくれる快楽がずっとずっと与えられる。恐怖心すら白く塗りつぶされていく最中――
「――――っぁぁぁあぁぁぁ――♪」
 更なる頂へと打ち上げられた。
 侵されて注がれている感覚とは別の何か体の中から吸われていくような感覚。それが全身からちゅるちゅると吸われてしまう。だがそれがまた信じられないほど気持ちいい。
(ぅぁぁ――ぅあぁぁぁぁぁ――っ! きもちいい……きもちいいのぉぉ――! も、と……もっとぉぉ!)
 吸われているのは力の源ともいえる活力。吸い尽くされても死ぬことはないものの、今の状況を打開することは完全にできなくなってしまう。だというのに、もはや危機感すら感じられず、もっともっとと求めて絶頂に絶頂を重ねながらフルフルと悦びに震えて絶頂する。
「あぁぁぁ……♪ はいって、きて……ぬけちゃ……てへぇ……も……すご……くへ…………ぁ、は……あはは……すご……い……しあ――――」
  ゴプ! ゴプゴプ!
「あ、はぁぁぁぁぁ……♪ あ…………つ、く……て……とろ、……とろ……な、の…………イ、く……の……イ…………て、る……の……ぉぉ……♪」
 熱い白濁した液体が初夏の膣を、子宮を満たす。子宮が歓喜に震え、愉悦に口元が笑みに歪む。ドロドロのトロトロで、グチャグチャで……そんな風に満たされながら、初夏の意識は黒く塗りつぶされていく。
(ぁぁ……わた…………し…………きえ、ちゃ……ぅ…………き……………………ぇ…………)




「んふふふ……これで、初夏は私好み……んふふ……んふふふふふ……!」
 完璧にことは運ばれていた。初夏がツクヨミと出会い、そして自分と戦うという運命に巻き込まれていき、そして決して離れない自分だけのものとして手に入れるという、ただ我侭な計画。
 初夏を妬む存在を使い、体を蝕み、そして最後には改造し、全ての陵辱行為に体が悦びを覚えるようにと変異させ、自分を好きになってもらうという、ただそれだけのもの。初夏だけでは初夏が寂しがるかもと、ツクヨミも今は翼の触手に捕らえて改造している。
「んふふ……んふふふふふ……!」
 リリアーナは興奮していた。これからのことを思うと笑わずにはいられなかった。
 それゆえに気づけなかった。
 日下部初夏が、ただ炎を生み出すだけではないということを。
 あけてはいけない扉があったことを。
 
「え――」
 リリアーナにとってはあまりにも突然な出来事だった。チリっと肌を焼くような感覚を覚えて、視線を向けた刹那翼が全て青色の光に飲み込まれて消えうせた。
「え、な――」
 なにが。
 という言葉を紡ごうとしたがそれ以上はかなわなかった。青色が真横を通り抜けたかと思ったら、リリアーナの右側がなくなったのだ。
 痛みはなかった。あったのはただありえないほどの熱と恐怖。それと――
「ぁ……ぁは……あはは……あははははは!」
 笑っていた。声にだして笑うほどにリリアーナは歓喜していた。
影絵?
 青色の中心にいるのは日下部初夏だ。今しがた快楽漬けになるように徹底的に改造してやった日下部初夏だ。
 それがどうしたことだろう。抵抗する力を完膚なきまでに吸収し、運動能力すら奪いながら快楽を感じられる体にしてやったというのに、そんなことをするまでもなく自分に敵うはずもない脆弱な存在であったはずの存在が、自分を畏怖させるほどの力を溢れさせている。
 歓喜していた。ただひたすらに腹のそこから湧き上がる喜びにラファズ・リリアーナは打ち震えていた。
「あはははははは! あははははははははは!」
 左腕が灰になる。角が消し飛ぶ。それでもリリアーナは喜びを表すために狂ったように笑う。
「嬉しいなぁ……嬉しいなぁくさかべはつかぁぁ! いいよ……いいよいいよいいよぉ! もっとなんですねぇ! もっともっと楽しませてくれるんですねぇ!」
 掠めるだけで体が墨になる。それでも意に介さず高らかに叫ぶ。
「もっともっとなってくださいよぉ? わたしを楽しませて満たしてくださいねぇ! あは、あはははあははははははは!」
 巨大な炎がリリアーナを見込む瞬間、彼女は姿を消した。
 それと連動するかのように、初夏を包んでいた炎も掻き消えた。







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